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Interview with President Maruyama of HULFT, Inc.
NEDO
江川 光
―HULFTの事業概要は。
HULFT, Incはセゾン情報システムにより2016年4月に設立された米国子会社。法人向けのデータ連携・ファイル転送のソフトウエア・サービスを提供しており、製品の企画、開発、設計、販売、サポートまでを行っている。世界で1万社以上に利用頂いている。HULFTのミッションは欧米における新しいサービスの提供やマーケットの獲得。SalesforceやOracle、Google等の最近多く出てきているSaaSとお客さんの持つサービスを繋げることにより、データの可視化によるデータドリブン経営を支援するビジネスを行っている。基幹システムと繋げるため、信頼できるシステム、データが欠損しない仕組み、そしてサポート等が重要。日本では金融機関や自動車関連でシェアが高く、ミッションクリティカルな分野で使われている。最近では、マネージドサービスを立ち上げたり、iPaaS(Integration Platform as a Service)と呼ばれる、クラウドでデータ連携をクローバルにできるサービスを提供している。

―競合に対する強みは何か。
米国の市場は、日本や欧州と比べて中堅企業がかなり多いのが特徴。大企業ほど社内のITリソースや予算が大きくない。特に製造やサプライチェーンの分野には、優秀なIT人材は入りたがらない。コロナ禍でその傾向は顕著になった。一方で小さい企業のようにフレキシブルにも動けない。ツールを渡して「はい、どうぞ使ってください」では上手くいかないので、End to Endサービスを提供するモデルにした。ミドルウェアはアプリとシステムの両方の知識が必要なため、アウトソースしてもらっていることが多い。日本と比べ、米国企業のサポートはあまり良くないと言われているが、HULFTでは日本的なカスタマーファーストで対応するようにしており評価してもらっている。
―社内の体制は。
北米と欧州全体を管轄している。40名近くの社員のうち、8割がエンジニア。プリセールスとアフターサポートまでを行う体制としている。SAPの導入コンサルなど、ERP(統合基幹業務システム)も含めたグローバルでのデータ連携のニーズが多くなっている。各国・地域で別々で利用されているERPにおけるデータを集約して横串を通すことで、データを利活用できるサービスを提供している。駐在は3名で他に日本語を話せる社員は2,3人。SlackとDeepLの日英変換機能を効率的に使うことで、言語のハードルを下げてスピード感のある経営ができるようになってきている。。米国の顧客は製造・サプライチェーンが多くいる中西部にお客様が多いため、社員はシリコンバレーのエンジニア以外は中西部か東海岸にいる。東海岸からは欧州も支援している。
―欧州での事業は。
欧州では、つい最近もエストニアに行ってきたところだが、エストニア政府の統計庁に採用されており、GDPの推移や人口推移などのデータを集めるためのプラットフォームを使ってもらっている。エストニアはe-governmentで有名であり、政府関連への導入は日本以外ではエストニアが主。国際送金のWiseや、配車アプリのBolt、宅配ロボットStarshipなど、実は創業者がエストニア人のユニコーンが多い、面白い国。欧州の拠点はロンドン。将来的にはエストニア以外の政府機関にも入る可能性はある。欧州はGDPR等による個人情報保護の規制や、日本ほどではないが米国よりコンサバなのも特徴。
―社名について。
主力製品名のHULFTからそのまま名前がついた。この社名を4月1日からSaison Technology Internationalに変更する。HULFTを知らない方にとっては語源等の説明が必要だったが、新社名はテクノロジーの会社ということがわかりやすくなった。「Saison」はSeasonのフランス語で、欧州、米国の両方で親しみやすい単語でもあり、今後のブランディングとしてはよいと思っている。ロゴも柔らかい印象にした。

―今後の課題や展望は。
人手を使ってデータを集めている企業が多く、そういった顧客のビジネスプロセスを変えていくことが課題。そのためにはコンサルティングが必要だが、それにも人手がかかるため、これを自動化できないかと考えている。デザインガバナンスというコンセプトで、自分たちの考えをプラットフォームに入れることで、ビジネスプロセスをトラッキングできるシステムを作っていきたい。いつまでもドキュメント化されたワード資料を見るのには限界があるので、誰もが分かり易いワークフローをつくり、改善の提案ができるようにしたい。
「世の中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る」、というのが社のミッションであり、それを追求したい。車でさえサブスクできる時代であり、あらゆる製造業がソフトウェアとセットになっている。そこには人材のリテンションの課題もある。ITのコストの8割は人材であり、ビジネスモデルとして、人中心にならざるを得ない。昔は企業の部長クラスにまで秘書がいたが、今はいなくなっておりテクノロジーが置き換えている。自社のエンジニアも、今までの仕事を離れて、新しいことにチャレンジし続ける必要がある。
―自身のバックグラウンドは。
幼少期から、オーストラリアで5年、フィリピンで4年過ごしており、元々身近に異文化があった。妻も帰国子女で米国の大学を出ているので、米国には来やすかった。自分は日本の大学卒業後、ソフトバンク系の通信会社やトレンドマイクロに務め、そこでの通信やデータセンター、サイバーセキュリティ分野の業務を経験。ビジネス・経営においてデータが重要ではあるが、それを集めて処理するのに多くの時間を要しているという課題が見え、ITを活用したいという発想に至った。スタンフォードのリーダーシップのコースを昨年卒業したが、ビジネスリーダーが困っていることの多くはITでも解決できると考えており、今の仕事もそこにシフトしてきているため、成長分野でもあり、本当に面白いと思ってやっている。また、日本には日本初のソフトウェアの会社がほとんどなく、MicrosoftやGoogleの製品をインテグレーションするような話が多い。ただし、そこには米国とアジアでみてもラグが大きい。日本は中長期的に考え、きめ細かく開発・サポートしていく一方で、米国はスピードを重視し、クラウドでどんどんアップデートしていく。その両方の良い点を融合して伸ばしていくのに、自分のバックグランドが活かせると思っている。
―趣味は。
海外旅行とテニス。以前は野球を続けていたが、コロナを契機にテニスを始めた。海外旅行はアメリカの自然や、カンクンなどリゾート、欧州の文化など。スペインのトレドという町が、ヨーロッパ、アラブ、アジアの要素が混ざった神秘的な雰囲気があり良かった。年末に立ち寄った東京の麻布台ヒルズも意外と良く、日本の伝統とモダナイズされたデザインを融合しており、他にもフューチャリスティックな演出も多く、改めて観光地としての日本の魅力に気が付いた。
―JCCNC会員へのメッセージを頂けないか。
今年度はセミナー委員会の委員長をしている。2030年の将来を予測できるテーマをやろう、という方針で、モビリティやAI、水素のセミナーを開催してきた。3月1日に総合商社6社をお招きして事業戦略やイノベーション、スタートアップとの付き合い方を語ってもらう予定。シリコンバレーならではのイベントだと思う。ここ数年でJCCNCの集客方法や取り組み方も変わってきているので、ネットワーキングやビジネス機会としてぜひ活用して欲しい。
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