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2024 November / December Edition

Consulate General of Japan

Nov / Dec

 

海上保安官がなぜサンフランシスコ総領事館に?

 

在サンフランシスコ日本国総領事館

経済班・広報文化班・警備班

檀原 裕(海上保安庁からの出向)

〇自己紹介

初めまして。総領事館の海上保安庁から出向中の檀原と申します。


巡視船の船長時代に家族と

私は、高校を卒業後、呉の海上保安大学校に進学し、その後、現場で海上保安官として、沖縄の尖閣諸島周辺海域や北海道の北方領土付近での領海警備、外国人による密輸や暴力団の密漁の捜査(逮捕や取調べ等)、遭難者の海難救助などに携わってきました。その後、東京の本庁などの勤務を経て、現在サンフランシスコ総領事館に勤務しています。


したがって、『外交官』や『領事』とは遠く離れた世界で今まで生きてきており、家族もまさかアメリカに住むとは夢にも思っていませんでした。


そんな私が、『なぜ、サンフランシスコで働いているのか?』ということを皆様に少し知っていただけると嬉しいなと思い、今回は寄稿させていただきました。

     

〇日本の海上保安庁と米国沿岸警備隊(アメリカ版海上保安庁)の連携

私がここにいる一番の理由が、米国沿岸警備隊(アメリカのコーストガード)の本部がイーストベイのアラメダにあり、彼らと日々連携を行い、アメリカだけではなく、太平洋、アジア、太平洋島嶼国に渡る広大なエリアにおける、日米のコーストガード間における多種多様な訓練や連携の企画・立案・実行を行っていることにあります。

 

アラメダ(イーストベイ)の米国沿岸警備隊基地

私は、日本で海上保安庁の本庁や巡視船に乗って働き、最前線の業務を経験する中で、昨今の我が国周辺海域の情勢が厳しくなっていくことを感じていました。そんな中、平和な海を守り、秩序を保ち、安心した生活を守るためには、日本だけの力だけではなく、国際的な連携が不可欠であることを痛感しました。なかでも、アメリカとの関係は、日本にとって死活的に重要であり、日米連携を更に発展させ、アメリカ共に同じゴールに向かって協働する必要があるという強い想いからこの地での勤務を希望しました。


また、私の目標としては、日米だけではなく、他のアジアの国などと積極的に協力関係を築き、対立するよりも対話を促進することを目指しています。このビジョンを、米国沿岸警備隊に共有し、議論を重ねることで、2023年は、日米フィリピン、本年は、日米韓との連携を実施しました。今後も多国間の連携を積極的に推進し、国際法と国内法に則り海洋秩序を保ち、紛争を防ぐ緩衝材の役割を果たすなど、自由で開かれた平和な海を守っていきたいと思います。


日米フィリピン海上保安合同訓練(2023年)
ベイエリアでの日米韓署名式(2024年)
レセプション時の米国沿岸警備隊の方々との様子

〇練習船こじまとサンフランシスコ

もう一つ、海上保安庁とサンフランシスコの関わりが深いのが海上保安庁練習船によるサンフランシスコの寄港です。海上保安庁練習船は、1年に1度、世界一周航海を行っており、1~2年に1度、日本を出港して最初にサンフランシスコに寄港します。太平洋の荒波を超えてようやく練習生が入港すると、当地在住の日本人や日系人の方々が温かく出迎えていただき、歓迎式典やレセプション、一般公開などを行っております。練習生にとっても、国際感覚の涵養や、ベイエリアの日系人の歴史を学ぶ良い機会になっています。来年寄港する場合には、お知らせさせていただきますので、ぜひ、お越しいただき、練習生を励ましていただけると嬉しいです。


練習船こじまのサンフランシスコ寄港
練習船の一般公開と練習生

〇終わりに

私は、これらの海上保安庁関係の業務のほかに、サンフランシスコ領事館において、広報・文化・教育関係の一部も担当しており、皆様にお世話になることも多いと思いますが、どうぞよろしくお願いします。引き続き、地域のために、世界の海の平和のために、精一杯、楽しく働いていきたいと思います。






©2020 by Japanese Chamber of Commerce of Northern California. 

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