2025 Nov / Dec Edition
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Nov / Dec
広報委員会
シアター ・オブ・ユウゲン定期公演を鑑賞して
Mitsui & Co. (U.S.A.), Inc.
Yoshie Roake
11月9日、広報委員会メンバーとしてサンフランシスコのシアター・オブ・ユウゲン(Theatre of Yugen)で開催された秋の定期公演「ユウゲンの会」最終日に足を運んだ。会場のNOHSpaceは、日本文化に関心を寄せるベイエリアの人々で満席。日本の伝統芸能である狂言が地域に深く受け入れられている熱気を肌で感じた。
今回の演目は古典狂言『宗論(しゅうろん)』と『柿山伏(かきやまぶし)』。英語で演じられる狂言は、古典の趣を保ちながらスマートなバイリンガルのユーモアを織り込み、日本語スピーカーだけでなく英語スピーカーも楽しめる構成となっていた。
『宗論』では、道中で出会った二人の僧が「どちらの宗派が正しいか」をめぐって穏やかな会話から始まり、やがて論争は読経バトルや踊り合戦に発展。最後には互いの経を唱え合ううちに、熱が高まり相手の経を思わず口にしてしまうというユーモラスな結末に、観客の笑いが弾けた。
All photos by : Jon Bauer


一方『柿山伏』では、修行帰りの山伏が喉の渇きを癒そうと柿の木に登り、畑主に見つかってしまう。山伏は犬や猿、鷹の真似をして必死にごまかそうとするが、結局は木から落ちるというオチ。人間の欲や愚かさを、軽妙な動きと模倣で描き出すこの作品は、会場を和やかな笑いで包んだ。


出演者たちの明快なストーリーテリング、きびきびとした所作、そして時折挟まれる西洋的な言い回しが、伝統芸能を現代に引き寄せ、誰もが楽しめる舞台となっていた。
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Theatre of Yugenについてシアター・オブ・ユウゲンは1978年にサンフランシスコで創設された非営利劇団で、古典狂言の英語上演や、能・狂言を取り入れた教育プログラム、東西の要素を融合させた創作活動を続けている。拠点はミッション地区の小劇場 NOHSpace(2840 Mariposa Street, San Francisco, CA 94110)。今後も春と秋に定期公演を予定しており、狂言の基礎を学べる一般向けクラスも開講している。
詳細は公式サイト Home to Yugenまたは info@theatreofyugen.orgまで。サンフランシスコならではの英語狂言、ぜひ一度体験してほしい。
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