2026 Jan / Feb Edition
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Jan / Feb
歌手・クリスタル ケイさん 「自分のため」から「誰かのため」へ。
キャリア26年で見つけた、人とつながり、心を動かすマインドセット
広報委員
1月17日、サンフランシスコで開催されたJCCNC新年会イベントにて、圧巻のパフォーマンスを披露してくださった歌手のクリスタル ケイさん。1999年に13歳でデビューし26年間、常に第一線を走り続ける彼女が、広報委員会のインタビューに答えてくださりました。

音楽で一気に距離を縮める「作戦」
――本日は素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました。ライブを振り返ってみていかがでしたか?
クリスタル ケイさん(以下、CK): ありがとうございます。実は、企業のイベントで50分というセットは珍しく、普段は長くても30〜40分程度なんです。だから今回は50分とたっぷり時間がある分、最初から盛り上げつつ聴かせる場面も作るなど、ちゃんと「山のある」、楽しめる50分間にしたいと思って構成しました。
――今日は盛り上がる曲を中心にした構成でしたね。
CK: 私自身、踊るのが大好きなんです。皆さんと一緒に踊れる「参加型」にするのが好きで、そういう曲は絶対に入れます。 普段のライブとは違う客層であっても、一度パフォーマンスが始まれば、そこはもうライブ会場です。音楽は人と人とをつなぐツールですから、硬い雰囲気の時こそ、音楽の力で一気に距離を縮める「作戦」なんです。
――今日はその作戦、大成功でしたね!
CK: はい、成功しました!(笑)。
27歳、NYでの孤独が教えてくれた「ギフト」の意味
――10代でデビューされてから長いキャリアになりますが、今振り返って一番大きく変わったことは何だと思いますか?
CK: いろいろな変化がありましたが、一番は「誰のために歌うか」が変わったことです。13歳でデビューした当時は、やはり「自分のため」にやっている感覚が強かったんです。「かっこよくありたい」「楽しいからやりたい」という気持ちですね。 でも、年齢を重ねて、ファンの皆さんと一緒に歳をとっていく中で、考え方が変わっていきました。自分が誰かをハッピーにしたり、何かを感じてもらえたりするのは、私がもらったすごい「ギフト(才能)」なんだと気づいたんです。だから、これは自分のためではなく、人のために使わなければいけないと。
27歳の頃、ニューヨークに渡ったことが大きな転機でした。日本を出て初めて一人暮らしを経験し、孤独を感じたり、壁にぶつかったりして、自分自身と向き合う時間が増えました。 その時、ファンの皆さんからいただく「クリスタルの曲で励まされました」という言葉の重みを改めて感じたんです。私も一人の人間として壁に当たって悩んでいる。みんな一緒なんだ、と。「私は自分のためじゃなく、人のために歌わなきゃいけないんだ」。そうシフトチェンジできたのが、一番大きな変化だったと思います。
次世代の「ロールモデル」になりたい
――多文化な環境で育ったことは、音楽やご自身の考え方にどんな影響を与えましたか?
CK: 子供の頃は、アフリカ系アメリカ人と韓国人の両親のもとに生まれて日本で育つ中で、アイデンティティに関するコンプレックスがありました。今はミックスカルチャーを持った方が世界中で活躍されてますが、当時は私と同じような境遇のロールモデルがおらず、「自分は何者なのか」という答えが見つからなかったんです。「目立ちたくない」「隠したい」と思っていた時期もありました。
でも今は、私が次世代のミックスカルチャーの、当時の私みたいな子供たちのロールモデルになりたいと思っています。多様化は進んでいますが、日本の学校で「こういう時はどうしたらいいんだろう」「髪の毛どうしたらいいんだろう」と悩みを抱える子はたくさんいると思うんです。そんな時、私のような人間が表舞台で活躍している姿を見れば、「私も頑張れる」「活躍できるんだ」と思ってもらえる。それが彼らの力になれば嬉しいです。 アジアを代表して、音楽を通して世界との距離を縮め、一つにしたいなと思います。
「あるもの」に感謝する習慣
――長く第一線で活動を続ける中で、大切にしているマインドや習慣があれば教えてください。
CK: 「ありがとう」を忘れないことです。特に、「ないもの」ではなく「あるもの」にフォーカスすること。 一日の始まりに「これができていない」とネガティブなことに目を向けると、その日はネガティブなことばかり集まってしまいます。逆に、「屋根がある」「素敵な友達がいる」といったことに感謝する。それだけで、マインドセットは大きく変わります。 すごく小さなことに聞こえるかもしれないですけど、毎日繰り返すことで人生を豊かにする、とてもパワフルな習慣だと思っています。
今後の展望とサンフランシスコ
――これから先、アーティストとして挑戦してみたいことはありますか?

CK: 海外でのライブ活動をもっと増やしていきたいです。子供の頃から「舞台=世界」だと思ってきました。今日のライブのように、初めての場所、初めて会う人たちの前で歌い、活動の輪を広げていきたいですね。ツアーももう一回やりたいですし、回数を増やしていきたいです。
――サンフランシスコの街は楽しまれましたか?
CK: 実は昨日、「ライブやるならここ行きたいな!」っていう市内のライブハウスを下見してきたんです。知り合いのつながりで3〜4軒ほど回らせてもらったのですが、移動の車中から観光地も案内してもらえて、初めてちゃんとサンフランシスコ観光ができた気分でした。
――美味しいものは召し上がりましたか?
CK: まだあまりたくさんは食べられていないのですが、用意していただいたお弁当がすごく美味しかったです(笑)。
――(笑)。本日は貴重なお話をありがとうございました。
【編集後記】 インタビュー中も笑顔で、気さくにお話ししてくださったクリスタル ケイさん。 「自分の持っているギフトは、誰かの助けになるために使うもの」。困難や孤独を乗り越え、他者貢献へと視座を高めたその姿勢に、26年というキャリアの深みを感じました。快くインタビューに応じてくださり、ありがとうございました。 (聞き手:広報委員)
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