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2025 July/August Edition
駐在
Sep / Oct
広報委員会
新人駐在員のみなさんへ!駐在員マメ知識「総集編」
銀行口座の種類、共同名義口座、W-9/W-8BEN、クレジットスコアについて
U.S. Bank
National Sales & Program Manager
水戸 英輔
駐在員マメ知識 総集編
こんにちは!JCCNC広報委員のオールドルーキー、ミト@U.S. Bankです!実は、社会人歴ウン十年にも関わらず、ゴルフというものをやったことがなかったのですが、10月にJCCNCゴルフ大会に参加させていただきました!右も左もどころかルールさえもわからない初心者に暖かく接していただいた参加者の皆さまには足を向けて寝られません。同僚からの唯一のアドバイスは「みんな初心者には優しいけど、ゴルフボールだけはたくさん買ってくのが吉。備えあれば憂いなし」。そのアドバイス通り、無くしたボールの数15球…こんなに簡単にボールが無くなるスポーツはゴルフだけなのでは?ちゃんと練習して来年はロストボールの数を半分にしたいと思います!
さて、米国駐在員の方々の銀行知識における「備えあれば憂いなし」的な存在を目指して昨年から掲載をスタートした「駐在員マメ知識」も8回目...と思っていたらなんとほぼ1年が経っていたことに気がつきました!
ということで、今回は1周年記念ということで、これまで掲載させていただいた「マメ知識シリーズ」からいくつかの重要トピックスを選抜して「総集編」として編集しなおしたものをお送りいたします。ゴルフボールではありませんが「備えあれば憂いなし」これは駐在員の生活セットアップの要である銀行口座にも言えることなのです。
ここでは、駐在生活をスタートするにあたり“つまずきやすい銀行関連の基本”を4つ、やさしく整理してみました。
銀行口座の種類編:翻訳アプリではわからない「普通預金」

アメリカの銀行口座は、日本の「普通預金」「定期預金」とはちょっと違います。
翻訳アプリで“Saving=普通預金”と出てきても、実際の使い方はまったく別物です。
まずは、4つの口座タイプを押さえておきましょう!
種類 | 主な目的 | 特徴 | 注意点 |
Checking (チェッキング) | 給与受け取り・ 日常支払い | デビットカード付属で、ATM・小切手も使えるメイン口座。 | 残高条件を満たさないと口座維持手数料がかかることも。 |
Savings (セービングス) | 貯蓄・余裕資金の保管 | 利息がつく。高金利キャンペーンも多い。 | 月6回までなど、引き出し回数制限がある。 |
Money Market (マネーマーケット) | 中期運用・利息収入 | Savingsより高金利。小切手機能付きのことも。 | 最低預入額が高めに設定されていることが多い。 |
CD (定期預金) | 長期運用・金利固定 | 期間を決めて預けると高金利を得られる。 | 途中解約はペナルティがかかる。 |
アメリカでは、給与受け取り=チェッキング口座が必須!セービングスはあくまで“貯める用”です。
間違えてセービングスだけを開設してしまったりすると、給料が振り込まれない・お金を引き出せないという悲劇も起こり得ます。
共同名義口座:「家族だから使える」は通用しない!

「やっと口座を開けた!とりあえず自分の名義だけでいいや」——実はそれ、けっこう危険。
アメリカでは名義がない人は、家族でもその口座には一切アクセスできません。
たとえば本人が入院、帰任、あるいは最悪の事態には…。
家族は生活費を引き出せず、口座はすぐに凍結。プロベート(遺産検認)の長い手続きに入ってしまいます。
では、どう備えればいいのでしょう? 代表的な方法をまとめました。
解決策 | 内容 | メリット | 注意点 |
共同名義口座 Joint Account | 配偶者がSSNを取得してW-9を提出後、共同名義人として登録。 | 共同名義人はATM等での入出金やオンラインバンキングも共有可能。 | SSNや米国の居住証明がないと登録できない場合がある。 |
POD:Payable on Death設定 | 共同名義にできないときは、死亡時受取人(Beneficiary)を登録。 | プロベート(裁判所手続き)を避けて、スムーズに資金を受け取れる。 | 銀行によって設定方法が異なる。定期的な見直しが大事。 |
「後でやろう」と思っているうちに忘れがちですが、名義まわりの整理は「今すぐやっておくべきこと」なのです。
W-9 / W-8BEN:「意味不明な英語の書類」を後回しにしない!

駐在員が銀行口座を開くと、必ずといっていいほど出てくるのが「W-9」か「W-8BEN」。
どちらも自分がアメリカの税務上の居住者か、非居住者かを証明するフォームです。
面倒に見えても、放置すると利息や税金処理でトラブルになる可能性もあるので注意しましょう。
フォーム | 対象者 | 目的 | 効果 | 注意点 |
W-9 | SSNを持つ米国居住者(駐在員本人など) | アメリカで所得を得ていることを証明。 | 利息などの所得がIRSに正しく報告される。 | SSN取得後は再提出が必要な場合あり。 |
W-8BEN | SSNを持たない非居住者(帯同家族・赴任直後など) | アメリカの税務上、非居住者であることを証明。 | 不要な源泉徴収を防ぎ、税率軽減を受けられる。 | SSN取得後はW-9へ切り替え。帰国後の再提出にも注意。 |
ざっくり言えば、着任当初のSSNがないうちはW-8BEN、取得したらW-9!
W-9はIRS(アメリカの国税庁的な組織)に定型フォームがあるのですが、W-8BENは銀行毎に個別フォームを用意しているので、フォームについては銀行に問い合わせてみてください。
ただ、「ワタシはどっち?」「どう書けばいいの?」という質問を銀行に投げても「ア、税務関係のアドバイスはできませんので...ご自身で考えていただけレバ」と塩対応されてしまうことが殆どですので「どっちを出せばいいかわからない」ときは、勤務先の人事担当の方や契約している税理士に聞くのが一番確実です。
クレジットスコア:「信用」は育てなければ得られない

クレジットスコアとは、アメリカにおける“信用力の点数”です。
範囲は300〜850点。700点を超えると「良好」、750点以上なら「超優良」と言われます。
このスコアによって、クレジットカードの審査、家の契約、車のローン、保険料まで変わります。スコアを上げるコツは意外とシンプルです。
支払いを遅らせない:AutoPay機能を活用してシッカリキッチリ払う
利用額は限度額の30%以内:「この人返せるのかな?」と疑われないように!
長くカードを使い続ける:信用力強化は海抜0メートル地点から富士山登頂を狙うようなもの!
新しいカードを作りすぎない:リワードやボーナスに目を眩ませない!
そして何より大事なのは、焦らないこと!
渡米後、早ければ半年、長くとも1年くらい過ごしていれば頼んでもいないのに、自宅にはクレジットカードのダイレクトメールがわんさか届き始めます。そこにあるのは「事前承認済み!あとは申し込むだけ!」「当初3ヶ月でXXXXドル使えばキャッシュバックXXXXドル!」「新規入会ボーナスマイルXXXXXポイント!」という甘言ばかり。これらのカードを使い分けるのは、結構大変ですし、なによりスコアは一夜で上がりません。 時間をかけて“信用”を育てる感覚が必要です。アメリカでは、クレジットカードを持つこと=借金ではなく、信用を示す証拠なんです。
まとめ:駐在生活スタート時の銀行関連の“基本のキ”
テーマ | 正しい理解 | 誤解ポイント |
銀行口座 | 給与の受け取りにはチェッキング口座が必須! | Saving=普通預金と思い込む |
共同名義口座 | 共同名義がなければ、家族であっても口座にアクセス不可。せめてPoDの設定を! | 銀行口座は家族ならアクセスできると勘違い |
W-9W-8BEN | 税務ステータスに応じてすぐ提出! | 英語書類だからと後回し |
クレジットスコア | 信用力を育てなければ、クレジットカードも持てない! | 借金=悪と混同する |
慣れない米国の銀行事情も基本を押さえておくことが大事です。今回は総集編でしたが、以下に過去記事へのリンクも置いておきますので、お手隙の際にご確認ください!
もちろんこれら以外にも渡米したての新任駐在員特有の「知られざる米国銀行の落とし穴(?)」はたくさんありますので、それらはまた次回以降にご紹介いたします!
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